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3月29日

マンガ「ECCENTRICS」(吉野朔実)

このマンガには天(あまね)と劫(めぐる)
という双子の少年が出てくる。
彼らは1つの人格を共有している。
彼らは主人公千寿(せんじゅ)と親しくなっていき、
千寿が彼らを識別し人格を分けようとするのを拒む。
2人の人間である天と劫を、彼らは千寿に
「4つの手を持ったかのように」愛することを求める。
文庫版2巻の帯文「混乱を愛して」は
そうした状況から天と劫の口から出ているもの。
2人の人格を分けようとされ劫が言った言葉が印象的。
「あんた達身体がひとつしかなくて不安じゃないの?
どうやって自分をコントロールするの?
どうやって自分を確かめるの?
主観は常にくもってる 自己評価は常に二割増し
誰もが他人は自分を誤解してると考える 良くも悪くも
自分を見ることができないってことが
ぼくらは理解できない
あんた達は常に間違った自分を
見ていることに恐怖はないの?」

ちょうど一昨年前の今ごろ
就職活動で自己分析をしていたことを思い出した。
「エントリーシートを見てもらったり、
面接官役をしてもらったり、友達にしてもらいなさい
あなた自身気付いていない一面に
友達は気付かせてくれるはずです」
こんな風によく言われる一方で、
「自分自身が一番あなたと長く接しているはずだ
他人はあなたのことをまず第一印象で捉えがちだが、
あなたは自分自身をそういう先入感なしに捉えられる」
こんなことも言われた。
つまり、自分自身を知ることと同じくらい
自分自身が周りにどう映ってることを知るのも大切なのだ。
例えば好きな人に思いを伝えるとき
独善的すぎても相手の反応を気にしすぎても
相手には気持ちは伝わらなくて、
同じ人格を共有する双子の兄弟がいない私たちは
相手の反応や空気を見ながら自分を客観視していくのだ。

3月23日

マンガ「モザイクの魚」(あいざわ遥)

自由が丘のヴィレッジ・ヴァンガードで
これに「ラストに泣けます」とのポップが。
そういうポップは私を引きつける。
表題作と「ナキウサギ」の2話が収録。
表題作は、ラストを上手くまとめすぎ。
もう少し男女がすれ違った方が私好み。
話の展開にツッコミを入れると、
自分を心配してくれる男がいることで
ダメダメ女が前向きになるんだけど、
ダメダメ女を男は心配したくない。
ダメダメ女が成長するきっかけを描くと
もう少し読後感が強いものになると思う。
人前では化粧はしないと笑ってるところは
主人公の背景には何も描かれていないが、
その絵にさわやかな風を感じる。
セリフの省き方の間も上手く話がしまってる。
そういったとこなんか、絵が上手いと思うのだが。
「ナキウサギ」のラストの描写はきれい。
セリフがなく、短いプロットと2コマの絵。
主人公の想いが叶い、言葉が要らない感じが
この絵から伝わってきた。
このラストが好きな人は
望月花梨の「スイッチ」も気に入るはず。お薦め。

3月16日

『200 KM/H IN THE WRONG LANE』(t.A.T.u.)

懐かしい感じがした。
サウンド的にテンポが少しゆっくりで、
音も凝った感じを前面に出していないからだと思う。
音楽の感じはユーロビートを思い出した。
ユーロビートは、私が洋楽を聴き始めた頃
ちょうど流行っていたので思い出深い。
ザ・スミスの「HOW SOON IS NOW?」を
ポップに(憂いがなく・笑)カヴァーしてるのが
一番興味深かった。
ロックを歌うと、感じがシンディ・ローパーに少し近くなる。
歌い方が息継ぎするようにややシャウト気味な感じ。
2曲目の「ALL THE THINGS SHE SAID」は
現在、各FMでよくかかっていて、
私のレビューより、これを読んでいる
みなさん自身の耳を信じていただけのが
一番だと思うが、私の感想を。
声の感じが私好み。
か細い声で高音を歌ってるのに私は弱い。
出だしのサビの部分の後、高音でか細く歌うところと
サビで少し声を張り上げて
高い声で歌ってるのが対称的でいい。
サビで声を張り上げた感じに懸命さが出ていていい。
音の感じが数年前流行ったPandraみたい。
(「テル・ザ・ワールド」が流行った彼女、新譜出すらしい。
最近、すっかり名前を聞かなくなってしまったが)
フレーズの一つ一つに斬新さが無いとも言えるが、
聞いたことある感じに落ち着ける。
あおる感じの斬新的なダンス・ミュージックは
聞いていて心地よくはない。
刺激的でそういう音楽の良さももちろんあるけど。
私同様、か細い女性ヴォーカルが好きで
数年前流行ったドナ・ルイスが好きだった人は
4曲目の「30 MINUTES」も聞いて欲しい。
イントロの高音のピアノと
息をつくように歌うヴォーカルが印象的。

3月9日

イベント「中原淳一展」

彼の絵はその後の少女マンガにつながるなぁと思った。
絵の中の少女のポーズなどの構図、
背景の省略の仕方、ペンのタッチなどなど。
漫画的でない、絵の具による絵も
翳りがあって良かった。
描かれている服装も今に通じるものがかなりあった。
服が服として機能していくには、
斬新なデザインにも限界はあるのだろう。
今との大きな違いはスカートの丈。
膝上でミニスカートと言われていた当時と
太ももが見えるくらい短いスカートを
はいている現在の違いを感じた。
あとはパフスリーブの服が目立ったり、
衣装が少し宝塚的なものもあったくらい。
当時の流行の解説を読みながら彼の絵を見ると、
胸元のデザインなどが毎年変わって、
彼が服の流行を勉強してたのがよくわかった。
また、彼はいろいろなものに興味があって
それを取り入れていく柔軟な人。
床の間に背の低い棚を置いて
物を収納するアイデアなど、今見ても柔軟だなぁと思う。
「それいゆ」「ひまわり」など
彼の雑誌が読者たちに与えた影響は
とても大きかったのだろう。
この展覧会で個人蔵の
「それいゆ」や「ひまわり」が展示されていて
とても状態がすばらしかった。
この持ち主がいかに大切にしていたかがわかった。
ファッション誌も増え、
情報が消費し捨てられていってる現在、
いまだにこの雑誌のことが覚えられている
こんな影響力のある雑誌を作れたら、
編集者冥利に尽きるだろうなぁと思った。

3月8日

新書「広告のヒロインたち」(島森路子)

広告の中で印象的だった女性が取り上げられている。
広告は商品自体を伝えるだけでなく、
新しいイメージやライフスタイルまで伝える。
そうした広告が生んだ新しいムーヴメントの
数々がこの本には収録されている。
自分が青春だった頃のCMの項を読みながら
自分の青春時代を振り返るのも楽しい。
CMの演出に興味がある私は、
ギミックを用いたり、
視聴者の興味を引くために
どんどん生まれる新しいCMの演出たちの
解説が読めたのが収穫だった。
岸本加世子、樹木希林のフジカラーのCMの
解説はなるほどと思った。
美辞麗句が視聴者に通用しなくなって
「不美人を美人に写すのは、
いくら何でもうちの商品でも無理ですよ」
というニヒルなユーモアがそこにはある。
こういう毒のあるユーモアが
好感を持って迎えられるようになった
視聴者のCMへの民度の変遷も
この本からは読み取ることが出来る。



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