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9月27日

『音楽殺人』(高橋ユキヒロ)

YMOは、あまりヴォーカル曲がない。
「YMO、好きなんだけど、やっぱり、音楽はヴォーカルがあったほうがいいかな」
という人にお薦め。11曲中9曲がヴォーカル曲。
(ただし、全て歌詞は英語である)
80年代のテクノポップの軽い感じが、アルバム全体によく出ている。
現代音楽の要素を取り入れた後期のYMOよりも、ぐっと聴きやすい。
リズム、コーラスの雰囲気にレゲエを取り入れた
3曲目の「KID-NAP,THE DREAMER」とか、
演奏している本人達が楽しんでやっているのが伝わってくるのと同時に、
聴き手を楽しませようという趣向も伝わってくる。
スプリームスのヒット曲「STOP IN THE NAME OF LOVE」を
いかにもユキヒロっぽく、そしてまたキュートにやっている。
この曲でのドラムのリズムが好きなのだが、
機械を通した、vocalというより、voiceに近いヴォーカルも面白いんだけど、
サビで、ねちっこく歌っているあたりが、
声を無機質に扱う、テクノポップらしくないんだよなあ。(笑)
また、参加ミュージシャンが豪華。
細野晴臣、坂本龍一、大村憲司、久保田麻琴、鮎川誠、シーナ、立花ハジメなど。
松武秀樹がコンピューター・オペレーションをしている。

9月11日

『ベスト・オブ・イーグルス』(イーグルス)

イーグルスと言えば、「ホテル・カリフォルニア」である。
もちろん、このアルバムにも収録されている。
このアルバムは「ホテル・カリフォルニア」しか知らない人に、
ぜひ聴いて欲しい。
初期のヒット曲「テイク・イット・イージー」や、「ならず者」も
きっと、あなたに心地よい音楽を届けてくれるはずだ。
初期の曲は、「ホテル・カリフォルニア」ほど感傷的でなく、
カントリー・タッチで聴いていてほのぼのとする。
このベストを全曲聴いてみると、
また、彼らのコーラスがよいことに気付くだろう。
個人的には、彼らのラスト・アルバム『ロング・ラン』に収録されている
名曲「言いだせなくて」が入っていないのは不満。
(現在発売中の『ヴェリー・ベスト・オブ・イーグルス』には収録されている)

9月9日

『y』(THE POP GROUP)

こういうアルバムの良さを伝えるのは難しい。
私自身、ニュー・ウェイブは、あまり好きなジャンルじゃないし、
このアルバムも、聴いていて心が落ち着くような音楽ではない。
ジャケットからして、敬遠する人も多いだろう。
体を灰色に塗り、石人形を模し(顔は石人形っぽいものをかぶっている)、
たくさんの金の鎖を首からかけていたり、何やら儀式的な写真である。
私がこのアルバムから得るものは、エナジーである。
とてもルナティックなエナジー。
特に、ヴォーカルの、エコーがかかったシャウトはルナティックだ。
力強い音がぶつかり合って、入りこめない雰囲気を作っている。
その様が異様なのである。
出てくる音は、決してメロディーを構築しているとは言えない。
でも、惹かれるのである。
メロディーは構築されていないが、
使われる音の全てが細かく計算されていることが判る。
音の力強さは伝わるものの、聴き易くはない、
フリー・ジャズや、70年代のマイルスなどに抵抗の無い人は、
一度聴いてみる価値はあると思う。
ちなみに、私が好きなのは、
1曲目の「SHE IS BEYOND GOOD AND EVIL」。
2曲目の「THIEF OF FIRE」。
5曲目の「WE ARE TIME」。

9月6日

『ほうろう』(小坂忠)

はっぴいえんどは「空いろのくれよん」のようなスロウな曲も
割りとサラっと歌ってしまう。
もしかしたら、この『ほうろう』の「氷雨月のスケッチ」を聴いたら、
はっぴいえんどを聴いていて何か足りないものが満たされるかもしれない。
小坂忠の歌はとてもソウルフルで、また、ゴスペルの影響を受けているだけあって、
聴き手の魂に語りかけるような等身大の歌い方をする。
私が一番好きなのは、「機関車」。
感動させるタッチの曲調をイヤミにならないように落ち着いた感じでやっているのだが、
小坂忠と、バックの吉田美奈子のボーカルは
聴いていてとても落ち着いた気持ちにさせる。
また、ゆっくりしたテンポで弾く、ティン・パン・アレイの演奏もいい。
小坂忠は声を張り上げて歌うような歌手と違って、自然体なのである。
軽快なポップスが好きな人には少しくどいと感じるかもしれないが、
喜怒哀楽を表すことは歌に書かせない要素だと思う。
喜怒哀楽が自然と出ている感じなのである。

9月4日

「ホール・ニュー・ワールド」(ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル)

ピーボ・ブライソンは、マライア・キャリーとだったり、
ロバータ・フラックとだったり、デュエット曲をいろいろ出しているが、
声がセクシーだから、デュエットしたときにいい雰囲気が出るんだと思う。
男性ヴォーカルだから、女性ヴォーカルを上手く引き立てる必要もあるのだが、
掛け合いのタイミングがとてもいい。
また、ユニゾンになったとき、ピーボのヴォーカルは邪魔にならない。
そして、レジ―ナ・ベルの少ししゃがれた声の力強いヴォーカルもよい。

9月1日

映画「新しい神様」

ストーリーは平たく言えば、孤独を癒してくれるものを探し、
天皇にすがるパンク・バンドのヴォーカル、
雨宮処凛を追ったドキュメンタリー。
多くの人の場合、今日のトークのゲストに来た魚喃キリコのように
恋愛にそれを求めるのではないだろうか。
(魚喃キリコは目と耳の大きなかわいい人だった)
人間一人の生活力って小さいし、孤独って辛いけど、
こういうことで悩めるのって幸せだなあと実感した。
孤独って、自分の所有権や生存権が保障された状態を
突き詰めた形体の一つだろうから。
何も考えなくても、食べ物と寝床がある今の生活は幸せです、ハイ。

8月30日

『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』(レッド・ツェッペリン)

私はツェッペリンのアルバムはこれと
2枚組のベスト盤、『リマスターズ』しか持っていない。
デビューアルバムや『プレゼンス』など
ツェッペリンの名盤といわれるアルバムは
その魅力を『リマスターズ』からもある程度は得られるが、
このアルバムの魅力は『リマスターズ』からは十分に伝わってこない。
このアルバムの収録曲のうち、
「イン・ジ・イヴニング」と「オール・マイ・ラヴ」の2曲が
『リマスターズ』には収められているのだが、
『リマスターズ』に収められなかった曲たちこそが
ツェッペリンの音楽の多様性を示し、
このアルバムを魅力的なものにしている。
2曲目の「サウス・バウンド・サウレス」では ピアノがいい味を出している。
「ツェッペリン=ジミー・ペイジのギター」
というイメージを持っている人に聴いて欲しい曲。
3曲目の「フール・イン・ザ・レイン」はラテンっぽいメロディーが途中に入っている曲。
イントロのギターとピアノの感じが、「スタート・イット・アップ」などを出した頃の
中期のローリング・ストーンズっぽい。
4曲目の「ホット・ドッグ」も面白い曲。
エルビス・プレスリーのようだと評されたのも分かる気がする。
エルビスが好きな大滝詠一がノヴェルティ・ソングを歌うときの
歌い方を思い出してしまった。
5曲目の「ケラウズランブラ」はジョーンズのシンセがかっこいい。
ちょっとヴァン・ヘイレンっぽい。
ここでもギター・バンドのイメージを与えていない。
7曲目「アイム・ゴナ・クロール」はとてもブルージー。
こういう曲を最後に持ってくるのは、
ブルースが好きなこのバンドにとって当然なのかもしれない。
こういうギターを「むせび泣くギター」と表現するのだろう。

8月29日

『キャロル・キング・ミュージック』(キャロル・キング)

今でも多くの人に愛されている名盤『つづれおり』の次のアルバム。
あのような完成度の高いアルバムを出した後、
続けてこのようなアルバムを出している
この頃のキャロル・キングはまさに絶頂期。
一つヒットアルバムを出すと まわりがいろいろ忙しくなり、
特に自分で曲を作るミュージシャンは、 曲づくりに時間が取れなかったりして
次のアルバムでファンの期待に答えられないことがあったりするのだが、
ヒットアルバムを出し、ファンの期待がそれまで以上に高まっている中で
ファンの期待に見事にこたえているのはすごいの一言。
キャロル・キングのカーネギー・ホールでもライヴ盤に
『つづれおり』とこのアルバムの曲が多く含まれていることからも
このアルバムが名曲揃いなのが分かる。
「PLAY」ボタンを押して真っ先に流れてくる
1曲目「ブラザー・ブラザー」の出だしのパーカッションがまずいいし、
キャロル・キングの伸びやかなヴォーカル、間奏のサックスなど、
『つづれおり』の勢いをそのまま感じることができる。
多くのミュージシャンの場合、ベスト盤から入るのが一番よいのだが、
キャロル・キングの場合『つづれおり』から入って、
気に入ったら次にこの『キャロル・キング・ミュージック』を
聴いてみるのがいいと思う。

8月26日

映画「バッファロー'66」

ラストが良かった。
見ようとしている人の楽しみを減らさぬよう、
ラストの描写はここでは避ける。
「裏切られた!」と、ラストの展開を見て私は思った。
ある意味納得の行くラスト。
別の展開になってしまうと、
今までの映画で良くあったラストだと思う。
ここで私が書こうとしていることは
映画を実際に見ないと分からない。
そのため、私としては実際に映画を見てもらって
「ああ、ハッカpipeはこのラストをこう感じたんだ」と
思ってもらうしかない。

8月22日

『ブロッサム・ディアリー』(ブロッサム・ディアリー)

チェット・ベイカーのような甘ったるいヴォーカルを
コニー・フランシスのようなキュートな声で聴かせてくれる。
バックのノリがいいので、チェット・ベイカーよりはリズミカル。
4曲目の「ごきげんいかが」で「Comment allez-vous?」と
ブロッサムがけだるく歌うが、
軽快なバック・ボーカルと合わさって、
全体の曲調がとても軽いものとなっている。
また、ジャケット写真がいい。
ピアノの前に置かれたマイクの前で歌うブロッサムの写真なのだが、
銀色の髪とメガネをかけたブロッサムがとてもおしゃれに写っている。
ブロッサムはピアノも弾いており、
5曲目の「MORE THAN YOU KNOW」はインスト曲。
優しいタッチの白人らしいおしゃれなピアノが聴ける。

8月20日

テレビ「Beautiful Songs Concert」

今日の深夜にNHK BS2でやっていたもの。
大貫妙子、奥田民生、鈴木慶一、宮沢和史、矢野顕子の5人によるコンサート。
「ラーメンたべたい」をアコースティック・ギターを片手に
奥田民生が歌っていたのだが、
久々にシャウトする奥田民生を見たように思う。
大貫の曲、「横顔」を大貫妙子と矢野顕子が歌ったのだが、
「さすがプロ」と思った。
先天的に持つその人の個性もあるのだが、
自分の歌を相手に聴かせる技術を二人は持っている。
それまでのキャリアによって出来あがった部分も大きいのではないだろうか。
(自分には歌を聴かせる技術がないのが嫌になる)
大貫妙子の魅力を強く感じた。
大貫の曲「Rain」での歌声は、とても透明感があった。
宮沢和史と歌っただけに、より一層そう感じた。
大貫妙子が私の母親と一歳しか違わないのには驚きである。
奥田の曲、「さすらい」で矢野顕子の声が少し枯れていたのが印象的だった。
矢野顕子がそれまでにこの場でエネルギーを
発散してきたことの表れのように思えた。

8月18日

イベント「菅井汲展」

東京都現代美術館で8月20日まで開かれている。
久しぶりにこのセレクションに書きたくなるようなものに出会えた。
初期の作品が思った以上によかった。
ジャスパー・ジョーンズのように
油彩をキャンバスの上に塗りたくった跡が、間近だとよくわかる。
写真を通してだと、こういったのはわかりづらい。
「紫の鬼」(1962)という作品での
薄い紫の絵の上に濃い紫の絵を描き足しているところとか、
完成された作品から製作過程を想像するのは楽しい。
動物的なまでに力強い作品を見た後に、
アクリルで描かれた70年代の作品を見ると
この頃の作品はどうしても力強さが足りなくて物足りなく感じる。
アクリルは色がきれいに出るから、
原色の持つ色鮮やかさはとてもよく表されるのだが、
どうしても作品が平面的な感じになる。
赤を多用した色鮮やかな70年代の作品たちは
私の色彩感覚をとてもよく刺激する。
一つ一つの絵が私の身長よりも大きい絵なので、
色鮮やかな絵で飾られた展示室の四面の真ん中に立つと、
私の眼にはたくさんの色が飛び込んできて、
一つ一つの絵の前に立って間近で見たときには
物足りなく感じた絵たちの印象が変わった。

8月15日

『処女航海』(ハービー・ハンコック)

1曲目のタイトル曲はあまりにも有名。
ハービー・ハンコックのピアノから繰り出される低音からは、
まだ日が昇らない夜明けといった感じの暗さを持感じる。
ピアノが静かな存在感を示している。
ピアノと同じくらい、私はホーンの音色に惹き込まれる。
トランペットがフレディ・ハバード。
テナー・サックスがジョージ・コールマン。
このアルバムから、ハービー・ハンコックを追いかけるのではなく、
フレディ・ハバードを追いかけてみるのも聴きかたの一つだ。
2曲目の「ジ・アイ・オブ・ハリケーン」は軽快なテンポの曲。
ホーンとピアノの行きがぴったりで、
掛け合いのように、音がつながっていく。
3曲目の「リトル・ワン」は静かな曲。
ロン・カーターの沈むように響くベースと、
それを支えるようにピアノが奏でられる部分がかっこいい。
ホーンのアドリブもピアノが抑えていて、
全体的に騒ぎすぎてなくてよい。
このアルバムは全体的にどの曲もムードがあって、
フリー・ジャズと違って聴きやすいと思う。
ジャズを聴いたことがない人はこのアルバムから聴き始めると、
ジャズもとっつきやすいものとして
接することが出来るのではないだろうか。

8月13日

『JOEPO〜1981KHz』(EPO)

架空ラジオ局「ジェイ・オー・イー・ピー・オー」をコンセプトにしたミニアルバム。
タイトル曲「JOEPO」から始まる。
ファンキーなバックと「JOEPO・EPO」と繰りかえすEPOのヴォーカル。
タイトル曲にふさわしく、このアルバムのイメージを象徴している曲。
3曲目「身代わりのバディー」の前に
「National Album Count Down〜This Week No.1!」という短いジングルが入る。
「身代わりのバディー」が今週の1位という趣向だ。
こういった遊びゴコロいっぱいの曲と、
しっかりと作られた「身代わりのバディー」のような曲が見事に織り込まれていて、
聴いていて飽きない一枚。

8月4日

『春は遠き夢の果てに』(つじあやの)

70年代の音楽が大好きな私は、
最近出されたCDを買うときも
昔の歌手のベスト盤だったり、録音は古いことが多い。
つまり、私がこのようなCDを買うのはとても珍しい。
しかし、私は決して最近の音楽を聴かない訳ではない。
(音楽が詳しい割りには、最近の音楽は不得手だが)
今年の3月に出たつじあやののデビュー・アルバムである。
よく行く中古屋で入荷したばっかりのものをget。
初めて彼女の曲を聴いた時から
彼女のほのぼのとした雰囲気が印象的だった。
Kiroroが好きな人は気に入るのではないだろうか。
彼女は「京都在住のシンガー・ソングライター」と
朝日新聞に取り上げられたことがある。
文庫本風に装丁された小冊子になっている
歌詞カードが投げ込まれている。
薄いオレンジ色の表紙などかなりいい感じを出している。
右綴じだったら完璧なんだがなあ。
さて内容だが、ほのぼのとした佳曲がたくさん収められている。
歌唱力は、特に素晴らしいわけではないが、
ユーミンだって、歌は決して上手い方ではない。
ミュージシャンは歌が上手くなったがその反面
デビューのときに持っていた勢いを失ってしまうことがある。
次のアルバムで変に垢抜けたり、
小手先だけの巧さを身につけたりして欲しくない。
気に入った曲はいくつかあるが、一つを選ぶとしたら、
6曲目の「おいたままラヴレター 続編」。
2分21秒と短く、聴きやすいのもいいが、
キーボードとドラムによるイントロは、
渋谷系の様なポップさを感じさせる。
軽快なドラムに引っ張られるような軽い曲調がいい。



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