とりあえず旅行記〜香川・大阪〜


1日目 4月25日

あまりお金をかけずに旅行をしようと友達と話をしていて
スカイマークの徳島便、福岡便のどちらかに乗ろうという話に。
当日までどちらに行くか決めずに午後半休を取り、
とりあえず羽田空港へ。
この日がスカイマークの羽田・徳島便の就航日。
徳島空港ではそれを祝うセレモニーのような跡が。
徳島空港からはレンタカーで徳島駅周辺へ。
駅ビルで徳島の名産品を見てまわる。
そんなことをしていたら旅行代理店が閉店してしまい
夕方の時点でこの日の宿が決まっていない。
次の日香川に行きたかったので、宿を決めぬまま
とりあえず高松へ。
途中ローソンに寄りLoppi でこの日の宿、
オークラホテル高松を予約。
当日の予約だったので4000円と激安。
「やっぱりホテルオークラとは関係がないのね」
って感じのビジネスホテル。
ドライヤーとかカミソリといったアメニティなど
必要なものは揃っているし、
男2人で泊まるにはまったく問題なし。

2日目 4月26日

朝ごはんは1000円払ってバイキング。
うどんが置いてあるのだが、
お椀に入ったうどんは茹でてなく
(といっても乾麺の状態ではない)
隣にはお湯の張られた深鍋と取っ手のついたざるが。
「へー、自分で茹でるのね」。
関東でも、うどんの麺つゆは自分でかけるけど
麺はすぐ食べられる状態だからなぁ。少しびっくり。
チェックアウトして宮脇カルチャースペース(MCS)へ。
 宮脇カルチャースペース
ここは「福岡か徳島で徳島行くなら行きたい」と
旅行前から計画がたっていた唯一の場所。
元は宮脇書店グループの倉庫。
現在は小売りも行っているので
売場面積2000坪でジュンク堂書店池袋本店に次ぐ
日本で2番目に大きな本屋さん。
現在も倉庫的役割が強くて
本を探す楽しむなら宮脇書店本店とか
普通の本屋さんのほうがずっといい。
棚が「人文」「文芸」といった大きな分類がされ
その中で出版社別で並んでいるので
「政治書が読みたい」とか「歌集が欲しい」といった風に
特定の本を決めずに本を見るには向いていない。
「みすず書房の本でいくつか欲しいものがある」
といった場合には向いていると思う。
少し硬派な出版社の商品、特にシリーズが
全館揃ってる書店って限られるので。
あとは探している本があってMCSから取り寄せの場合に
自分で行って状態を確かめたい場合とか。
背が焼けている本や帯が少し傷んでいる本もやっぱりあった。
品切れの本とかあるかなと期待したのだが、
そういった本も少なかった。
もう出版社にも在庫がなくてMCSにあるだけとなれば
MCSの在庫は出るばかりなので仕方ないのだけど。
ちなみにMCSにはコミックは置いていない。
コミックの点数の多さを考えると賢い選択かも。
ちなみにここの出版社のブースというのは、
出版社別の棚がその出版社だけで独立して
フロアの一角に社名が入って置かれてる感じ。
各社の目録はレジ前に集められてるし、
この一角で何かを魅せるって感じではない。
MCSを後にして四国村へ。
中のギャラリーに入るには
四国村の入村料と別に拝観料がかかるということで
屋島神社からの景色を楽しむだけにとどめ
「香川に来たらやっぱりうどんだよね」と瓦町駅方面へ
 かな泉
ホテルでもらったうどん店の案内にはいくつかのうどん店が。
瓦町駅から商店街を抜け周辺をさまよっていたら
そこから一番近かったのがかな泉(紺屋町店)だった。
先ほどの案内に「(セルフ)」と書いてある。
「セルフって何だろうね」と2人で話しながら
とりあえずかな泉へ。
引き戸を開け店内に見えたのがたくさんのどんぶりと具。
「あ、取っていけばいいのね」。
ステンレスの素っ気ないバットに学食を思い出す。
ここでもうどんは茹でられてなくお湯が張られた鍋が。
「セルフってこういう意味なのね」と納得。
数人の客が一度に茹でられるよう大きさはキッチンのシンクのよう。
うどん小とえび天とジャガイモ(かな?)の天ぷらを選び310円。
すごくコシのあるうどん。久々にうどんの触感を楽しんだ。
「この値段で天ぷらうどんが食べられちゃうと
吉野家とか必要ないよね」と友達と安さにびっくり。
麺つゆは会計を済ませた後にかけるのだが、
それはかけるではなく蛇口をひねる。う〜ん。素っ気ない。
13時過ぎに行ったのだが店の前には
たくさんの自転車が停められていて
気軽にうどんを食べられる文化が少し羨ましかった。
商店街へと戻りJTBへ。帰りの飛行機を取らなくては。
しかし出発時刻に迷い、結局そこでしたのは
ネットで今夜のホテルを取ったのみ。
高松のフェリー乗り場から直島に行けることを知り
フェリーで直島へ。
帰りは宇野(岡山県)に抜けようとレンタカーは返却。
 直島
直島でフェリーに乗っていたら
行き当たりばったりな計画にやはり破綻が!
「家プロジェクト」の南寺などの開館時間が16時まで。
フェリーの中で時刻は既に16時。
16時過ぎに直島西岸の宮ノ浦へ到着。
直島東岸の本村から宇野への最終船が17:20に出てしまう。
本村に近いこと、入館時間がないことから
見物先を御王神社に絞る。
時間がないとバスを待っている時間がいらだたしい。
バスは1時間に1本ほどしかない。
農協前で降り、小高い丘を登り御王神社へ。
周りはふつうの民家で御王神社への案内もない。
駐車場もないし車で回ろうとすると困るかも。
島内をバスで回るのも本数が少ないから大変だけど。
家プロジェクトの4つを歩いて回るのは大変。
島内の見学には余裕を持ったスケジュールが必要。
御王神社への坂道を上っていくと真新しい木造の本殿が。
神社のほとんどが建てられて時間が経っていて
神社って焦げ茶色しているイメージだけど
どの神社も最初は新築でこんな色をしていたんだろうけど
きれいな神社にちょっと違和感が。
本殿の下に敷き詰められた石も真っ白で整然としている。
石室と本殿を結ぶ石の階段にガラスの階段を乗せて
石とガラスを組み合わせている感じが安藤忠雄的(この設計は杉本博司)。
この辺りが従来の神社っぽくなくて宗教建築というより美術作品。
御王神社にたくさんの寄付の石碑が建てられていて
このプロジェクトへの地元の強い期待を感じた。
私もこのプロジェクトがなかったら
直島を知ることもなかったと思うし、町おこしになってると思う。
島はこれを維持していくのが大変かもしれないけど。
直島から宇野、岡山へ出て、岡山から新大阪までのぞみで移動。
岡山から新神戸までノンストップですごく速い。
最近新幹線はこだまにしか乗ってなかったから、
いつもの新幹線より速いスピードで移動できるのが嬉しい。
 大阪市街
宿泊先は大阪駅の駅ビルに建てられたホテルグランヴィア大阪。
休前日に10000円切る料金でシティホテルに泊まれた理由が
夜景が見えないインサイドルームにあることがわかったのだが、
チェックイン時にフロントから部屋まで荷物を運んでくれたり
サービスは変わりないから私は満足。立地もいいし。
大阪駅のみどりの窓口で帰りの航空券を取ろうとするも
乗りたかった便に特定便割引がないと言われ
直接航空会社に電話。特定便割引あるじゃん。席を予約。
夜は阪急三番街のゆふなで飲み会。
ガイドブックを買わなくてもマンガ喫茶でネットつないで
情報を仕入れられるしクーポンまで手に入るんだから便利だわぁ。
ただ、徳島にはマンガ喫茶がなかったし、
高松でもあまり見かけなかった気がするし
ネット環境がどこにもあるだろうと過信してしまうと大変。
ゆふなは23時閉店でラストオーダーの頃に店を出て心斎橋へ。
そして心斎橋からなんばへと歩く。
歩いているだけでクラブやライヴハウスから
活気ある音楽が聞こえてくる。
戎橋でキャバクラの客引きにあってそれをかわしたり
繁華街の賑やかさを感じながら
梅田行きの道頓堀線最終で(ちゃんと)帰宿。
「キタ」「ミナミ」で大阪のタウン誌って分かれているし
梅田となんばってもっと遠いのかと思ってた。9分。意外と近い。
なんばの雰囲気は歩いた感じ歌舞伎町と変わらなくて
私はすごく落ち着く。
寂しいことに、お酒飲んだりとか都市での楽しみ方しか
私は知らないからなんだけど。

3日目 3月27日

大阪市街その2
朝早く起きてしまいホテルでごろごろしてるのももったいなくて
あてのないままチェックアウト。
(友達とは正午まであらかじめ自由行動にしてた)
昨夜はなんばまでしか行けなかったので
もっと南へと思いながら御堂筋線に乗車。
電車が天王寺に停まったとき出口がたくさんあったりして
賑やかそうな感じがしたので、予備知識ないまま
とりあえず天王寺で下車。
大きな駅ビルがあって公園があって美術館があって
私が好きな感じ。
渋谷と少し似てる感じがした。
駅から少し離れると住宅があるところとかも。
動物園が開く前の早朝の天王寺公園はホームレスしかいなくて
何かこわかったので公園内を歩かず移動。
路面電車(阪堺電車)が天王寺から走っていたので乗ってみる。
とりあえず乗ってみたが、
この先がどうなっているのかわからないので、
次の駅阿倍野で下車。
どうやらこの辺に「阿倍野SOHO」と呼ばれる一画があるらしい。
阿倍野駅を降り歩いていたらそんなことを知る。
それを探しに阿倍野駅周辺を少し歩いてみた。
しかしそれらしいものは見つからなかった。
どうやら私が歩いた辺りよりももっと駅から離れた場所にあったようだ。
天王寺駅まで歩いて戻り、そこからまたなんばへと北上した。
朝のなんばに降り立ちここが夜の街であることを実感する。
朝、健康に歩いている人が私以外にほとんど見つからない。
喫茶店くらいしか入るところがなく、戎橋近くの喫茶店で休憩。
店内は昨夜からオールで遊んでだと思われる女の子2人組や
独りアンニュイな感じでタバコを吸う女性客など。
独り喫茶店に来てスポーツ新聞見ながらトースト食べてる私も
はたから見たら健康には見えていないだろう。
このあとすることが思いつかず、会えればいいなと
大阪営業所に勤めてる会社の先輩に突然メール。
どうやら起きてないらしく先輩から返事がこない。
友達との待ち合わせがグランヴィアだったので、
とりあえず梅田に戻ってみる。
大阪市内の移動がずっと地下鉄ばかりだったので、
難波駅から大阪駅までJRで移動。
今宮から大阪まで環状線をほぼ半周。
20分かからない。(時刻表検索によると14分)
東京の山手線に比べ短いことを実感。
山手線を半周回ったらいらいらしちゃうもの。
移動途中で先輩から連絡が入り、
紀伊国屋書店で10:30待ち合わせということに。
先輩と会って大阪営業所を見せてもらう。
20畳弱くらいのフロアに机が2つとコピー付きFAX。
スペースに余裕があるとそこにモノが溜まり、
社内文書や取引先にFAXした書類などが至るところに。
男2人だと、コーヒーマシーンなどもないしそっけない。
遊び的な要素は机の引き出しにタウン誌「meets」があったくらい。
ちょっと見せてもらえば十分って感じでまた梅田の街に。
梅田から北新地方面へ地下街を通って移動。
日曜はシャッターが閉まってるお店が多くて少し寂しい。
それでもネクタイの露店が立ってたりして
「新橋みたいですね」「そうそう、それか大手町の地下ね」
なんて会話をしながらジュンク堂へ。
オフィスビルの中の本屋さんで日曜だけどあまり混んでない。
池袋同様ここも平台がないけど、池袋に比べて通路が狭い気が。
コミックの1F、雑誌や文芸書などの2F、専門書などの3Fの3フロア。
最近、大きな本屋さんが増えたこともあって、
「これぐらいの広さのフロアなら複階層じゃないほうがいいなあ」と
2Fと3Fを移動しながら贅沢なことを思った。
旅の後半に入り、懐もさびしくなってきたので、
自由価格本と関西のタウン誌だけチェックしてお店を出た。
友達との待ち合わせの時間も近づいたので先輩とは梅田駅でお別れ。
友達と合流し阪急の大食堂、阪急ダイニングステージでランチ。
伊丹空港に行くこと考え、このあとは阪急沿線を観光することに。
 手塚治虫記念館
宝塚駅を降り、宝塚の劇場や手塚治虫記念館までの道を歩いていて
まず気に入ったのが電線が地中にあること。
こういうのって宝塚を見に行くハレのシチュエーションの演出に必要だと思う。
宝塚の売店を見てまわるも2人も宝塚ファンではないので買うものなし。
(手塚治虫のポストカードは、手塚治虫記念館で買うより、
劇場に併設されてる郵便局で買う方が安い)
手塚治虫記念館の企画展は「アストロボーイ 鉄腕アトム展」
今年3度目のアニメ化がされるアトムのアニメに関する展示。
過去のアニメ作品に関する展示もいろいろあるので、
2度目のアニメ化ではアトムたちがやや幼く描かれたとか、
それぞれの違いなどを知ることが。
常設展は手塚治虫の生涯をいろいろな資料で追っていくもの。
貴重な原稿など以外にも(確か)中学時代の通信簿なども展示してある。
将来医学に進む人が化学「可」だった、なんてのは面白い。
小学校時代の紙芝居やマンガにはびっくり。
構図が上手い。もうこの頃、手塚治虫の原点を感じた。
たくさんの人が入り混じってるドタバタな絵なのだが、
ちゃんと1人1人の向きが違って描き分けている。
小学校低学年のデッサンとかって
登場人物がみんな同じ方向を向いていたりとか結構あるんだけど
私は手塚治虫の晩年しか知らないし
ずっとヒットメーカーの印象があったのだが、
70年代初頭「ブラックジャック」がヒットするまでは
割とヒット作が出てない時期があったというのは新たな発見。
といっても、ずっと複数の連載を抱えてて、
この人の仕事量は年表で見ると改めて驚かされる。
それともう一つすごいのが柔軟さ。
ビッグコミックの創刊など、青年向けマンガが出てくると、
そういったマンガを執筆し始めるし、
マンガ界の流れに常に乗っていこうという意欲はすごい。
宝塚から伊丹空港は近いので、
飛行機で帰る前に寄ってみて損はないと思う。
帰りの飛行機は伊丹18:10発のJAL130便。
17:30〜19:30に出発する便のスーパーシートでは
クイーンアリスの石鍋シェフプロデュースによる軽食が出ると聞き、
スーパーシートに搭乗。鳥料理を食べた。
1時間足らずの搭乗時間ということもあって、料理が常温(やや冷たい)。
温かい料理を温かく食べられず残念。もっと長い距離の便でないとダメだなぁ。
クイーンアリスらしい食材のこだわりもあまり感じることが出来なかった。
羽田空港からは空港バスと電車で帰宅。
飛行機、レンタカー、フェリー、新幹線、路面電車、地下鉄、バスと
あらゆる交通手段をこの旅行で利用。
時間が短縮できる移動、ゆっくりとした移動、
シチュエーションによってはどちらもよいなあと思った今回の旅行でした。



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