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10月16日

小説「間宮兄弟」(江國香織)

女性との交際経験がない兄弟が主人公。
恋愛小説って「ちょっといいな」と
思わせる男性を登場させないと
話が続かなくなりそうだが、
280ページの中編小説にまとめ上げるとこがさすが。
これまで交際経験がなかった男性が
急に魅力的になるなどということがなく、
兄弟ともに結局女性と結ばれることはない
ラストなのがリアリティがあって読めた。
いままで恋愛を語る上で無視されてきた
モテない男性に焦点が当てられていて、
それがモテる男性を引き立たせるためでなく、
ただモテない男性を好意的に描いているのが新鮮だった。
モテない男性にはその理由が
きちんとあるのは間違いのだが、
ただ、彼らにもいい部分があるのも確か。
兄、明信の自分に自信がないところや
弟、徹信の独善的なアプローチは、
「やっぱりね」と思わせる部分だが、
誰かを陥れたりしようとしない
明信ののんびりした部分はそれが良さであるはず。
こういった男の良さは
従来の恋愛小説では描かれてこなかった。
私の友人でも性格の良さでは
折り紙付きの男がいるのだが、これがさっぱりモテない。
彼を含めて飲んでいてコイバナになると
私は秘密を握っている気分になる。
「こいつはこんなにいい奴なのに
この良さに周りの女性は気付かないなんて!」
この小説を読みながら私は
秘密が知られてしまった、
悔しさを似た気持ちをふと感じてしまった。



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