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6月27日

映画「おかしな夫婦」

ニール・サイモンのコメディ。
テレビ東京は、昼間にこういった面白い映画をやる。
オハイオからニューヨークに向かう夫婦に
次々と災難が振りかかる。
スティーヴ・マーティン主演の「大災難」もそうだけど、
他人の不幸は、スクリーンで見ている分には可笑しい。
ただ、どちらの映画も、これでもかというほど災難が降りかかり、
見ていて可哀相になってくるが。
ハッピーエンドかは疑わしいけど、ほろりとさせられる。
ただ、そのままでは終わらないどんでん返しがあるけど。
三谷幸喜はニール・サイモンが好きらしい。
ドタバタの感じとか、影響受けてるかな。
風間杜夫が犯人役を演じた古畑任三郎(「間違われた男」)を思い出した。
あの話の中での、風間杜夫は本当に災難だった。
また、この映画はクインシー・ジョーンズの音楽もカッコいい。

6月25日

マンガ「天然コケッコー」(くらもちふさこ)

最近のマンガって、ツカミはOKなんだけど、
当初の勢いが続かないものが多い。
このマンガは、最初はあまりに日常的過ぎて、
さして惹かれないのだが、
途中から、作品の世界に引き込まれていく。
のどかな地方に東京から男の子が転校してくる話。
こういう書き方に、年齢を感じてしまうが、
思春期の頃って、パーソナルな事がとても大事で、
恋愛も社会の中での二人の位置付けみたいな、
イエ社会のような社会のしがらみもあるわけなく、
二人が共有しているものが、個人的であればあるほど、盛り上がれる。
だから、あまりに個人的過ぎて、
恋愛中の悩みって、他の人には、どーでもいいことにしか映らない。
この思春期の頃の心理描写がとても巧い。
同じ高校に入るための二人の盛り上がり方とか、
他人から見ればくだらないとしか思えないとこまで掘り下げて描いている。
あまりに描き方が巧いから、読んでいて、思春期の感覚に戻ってしまう。
だから、ちょっと自意識過剰なそよのこととかも笑えない。
そよの自意識過剰な感覚に近づいている。
東京から来た男の子の前では、
自分に関するちょっとしたことが恥ずかしかったりする心理とか、
恋愛している自分がちょっと大人に近づいたように思いたい、
そんな背伸びしたい心理とか、
少しでも相手と一緒にいたくて、少しでも相手の事を知りたいといった心理を、
この作品を読むことで追体験できる。
本編もいいが、個人的には、
6巻の巻末に収録されている、「ダブルフェイス」が結構好き。
主人公の照れ隠しが、かなりポイント高い。
私自身、年を重ねてきて、羞恥心が無くなってきていると思うから。
照れ隠しの羞恥心に、思春期を強く感じる。

6月20日

『ソロ・モンク』(セロニアス・モンク)

ジャズをビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビィ』から聴き始めた人は、
ビル・エヴァンスの次にこのアルバムを聴いてみるといいかも知れない。
流れてくるフレーズがきれいなメロディとなって奏でられていて聴きやすい。
バド・パウエルのような難解さも無し。上品な感じ。
上品な感じと書くと、クラシック的なイメージをするかもしれないが、
和音がきちんときれいに聞こえてくる、きれいなジャズ。
聴いていると、夜の街並みをイメージしてしまう。
軽快なピアノのタッチに遊び心を感じることも出来る。
「タラリラリラリラ…」と、「この人は指が何本あるのか?」と思わせる演奏を、
ムーディーと感じる人と、テクニックをひけらかしていると感じる人がいるかもしれない。
この技巧的なところが、ビル・エヴァンスとの違いか。
こういった技巧的なピアノが気に入ったら、
次はアート・テイタムを聴いてみるといいかも。

6月17日

マンガ「時間を我等に」(坂田靖子)

特に表題作だが、シュール。そして、ほのぼの。
シュールなんだけど、つげ義春のように身構えて読む必要はなく、
あまり深く考えずに読んでも楽しめるはず。
そして、読んだ時に不思議な感覚が頭の中に残るだろう。
ストーリー分析しないで、描かれているのを、ただ楽しめばいい気がする。
私は同時収録されている「やわらかい機械」という短編集が好き。
水道に関するギャグで構成されてる「水道完備」がいい。
水道管とガス管を間違えて配管したら、なんていう設定、くだらなくていい。
「ポポンガ・アイランド」もいいなぁ。
この話は、木の実を採取することによって生計を立てている部族の話なんだけど、
無くなったら、別の木を植えたらいいやみたいな、
楽観的なとこがかわいい。
こんな働かなくていい生活が出来たらいいんだけどなぁ。

6月16日

映画「LIES/嘘」

韓国で発禁になった作品を映画化したという話題作。
主人公は、女子高生Yと、現代美術作家J。
処女を捧げるためYがJに会いに行く最初の出会いから、
YとJとの関係がだんだんと深まっていく過程を描いている。
恋愛を通して女は変わることができるが、
男は変われない様がうまく描けている。
Yがブラジルに移住し、Jは取り残されることになるが、
JはYの面影を引きずって行くに違いない。
だからこそ、今ある現実に対し、嘘をついていかなければならなくなる。
今置かれている、状況の変化にうまく対応していくことができる女と
頭の中で描いている未来やそれまでの過去に捕われ、
今置かれている、状況の変化に対応できていない男。
谷崎の「痴人の愛」を思い出した。
「痴人の愛」のように二人の立場が逆転、
といった分かり易い展開ではないけど。

6月8日

『春蜜柑』(つじあやの)

2作目のジンクスを感じさせない、
ほのぼのとしたつじあやのの魅力が伝わってくる2ndアルバム。
3曲目の「君が好きです」が、私のお薦め。
浜アユのようなダンスミュージックをベースとした
過呼吸になりそうなアップテンポの曲に疲れた人にぜひ聴いて欲しい。
ゆったりとしたこの歌を聴いていると、
心拍数も下がり、身体の芯からリラックスできる。
この曲以外にも、5曲目の「心は君のもとへ」、6曲目の「虹」、
9曲目の「君のうた」、11曲目の「小さなこころ」など、
お風呂場で歌いたくなるような、ほのぼのした曲が収録されている。
このアルバムは、前作よりも、
アレンジが全体的にかちっと作りこまれた感じだが
(言い換えれば、ソフィストケイトされた感じ)、
「小さなこころ」は、バックの演奏が華美でなく、
ウクレレの弾き語りに近い素朴な感じがあって、私は好き。
「おいたままラヴレター」のような、
思わず手拍子したり、足を鳴らしたりしたくなるような
ウキウキした気分にさせる軽快な好きな人にお薦めなのが、
7曲目の「君が待ってる」と10曲目の「風にのって」。
「君が待ってる」の軽快なドラムがいい。
遊園地で演奏しているバンドのような軽快さ。
あまり抑揚をつけずに"風にのって〜 風にのって〜"と
自然体に歌う様子がとてもかわいい。

6月7日

マンガ「バージン」(岡崎京子)

岡崎京子の処女作品。
この短編集を読んでわかるのだが、
この頃から既に、岡崎京子の絵は力を持っている。
眼がとても表情豊か。
眼の向き、大きさなどが、主人公の感情をとてもよく表している。
岡崎京子は風景を描くのが巧い。
とある瞬間の風景を切り取ってしまう。
例えば「WEEKEND」という作品。
彼氏と待ち合わせをしている風景が切り取られている。
彼氏より先に来て、彼氏と会う。
それ以上、ストーリーは進展していない。
ストーリーマンガというより、シーンマンガである。
ストーリーマンガは必然を積み重ねて、
読者を作品の世界に引き込む。
このマンガは、感情をリアルに描くことで、読者の共感を得ている。
必然の積み重ねに嘘っぽさを感じて生まれた
ストーリーマンガへのアンチテーゼかもしれない。
岡崎京子の作品以降、一見どうでもいいような挿話を
ストーリーの繋がりとしてではなく、感情の繋がりとして差し込むマンガが
メジャーになってきた気がする。
岡崎京子はこうしたシーンマンガを書くことによって、
そういった挿話を差し込む方法を模索していたのかもしれない。



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