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1月29日

『ヨーロッパ特急』(クラフトワーク)

シンセの音の重なる感じが、聴いていてとても心地よい。
2曲目の「鏡のホール」は、少し暗い感じのヴォーカルがイイ。
例えれば、ルー・リードのようなヴォーカル
シンセの音は、無機質で乾燥していて、あまり暗さがない。
しかし時折、シンセが暗い感じに音を奏でる。
その音がそれまでの音とのギャップを生み、
暗さを強調づけるのに効果的に働いている。
3曲目の「ショウルーム・ダミー」では無機質な感じが強い。
無機質な音は聴いていて気持ちを不安にさせる。
無機質なものに自分を同調させる。
自分の耳、感性を無機質にしようとする。
聴き手を孤独にさせる音だ。
4曲目は、タイトル曲「ヨーロッパ特急」。
YMOの代表作「ライディーン」では、
馬のひづめの音をイメージした音が繰り返されているが、
この曲では、機械がぶつかって出るような、機械的な音が聞こえる。
タイトルから想像するに、ガタンゴトンと
列車がレールの上を走る音をイメージしているのだろうか。
シンセの音の調和が、光りをイメージさせる。
特急の速さを感じることができる。
後ろの打ち込みの音の繰り返しが変わらないまま
5曲目の「メタル・オン・メタル」につながる。
鉄を打ちつけるような音が聞こえる。
4曲目と同じ音が多用されている。
これにじっくりと耳を傾けようとすれば、
この単調な音の繰り返しはかなりつらい。
6曲目は「フランツ・シューベルト」。
シンセでうまく音の強弱をつけている。
弦楽器のようである。
フランツ・シューベルトと、クラシックの作曲家の名前をつけることによって、
この音の強弱を出した点を強く打ち出そうという意図が
アーティストにあるのではないだろうか。
このタイトルにこだわり過ぎると作品の全体像が
見えなくなってしまうような気がする。

1月28日

マンガ「ラヴァーズ・キス」(吉田秋生)

ネタバレしないように
誰が誰のことが好きでといった、人物相関図的な説明はしない。
同性愛を含む様々な恋心が錯綜し、
繊細な人物関係がこの話の一番の魅力だからだ。
全2巻の中に、話が3つ収録されている。
高校生活のとある期間が
3人の視点で描かれている。
そのため、話の時間軸が戻ったりするので、
読みづらいという印象を受けるかもしれない。
しかし、視点を変えるからこそ、
あそこまで繊細な心理描写ができるのではないかと思う。
それぞれの想いが錯綜する繊細な世界をご覧あれ。

1月9日

「マイ・シェリー・アモール・リミックス」(クレモンティーヌ)

「マイ・シェリー・アモール」のリミックス 2トラック、
アルバム・ヴァージョン 1トラックと、
「イッツ・ア・シェイム」のリミックス 1トラックが収録されたマキシ・シングル。
「マイ・シェリー・アモール」を
ラテン調の小気味いいドラムをバックにした RADIO VERSION は、
アルバムのヴァージョンとがらりと雰囲気が変わり、
クレモンティーヌのヴォーカルからけだるさが消え、
躍るような歌声が聞こえる。
もちろん、リミックスなので、実際は、同じヴォーカルを使用しているのだが、
バックによって、同じヴォーカルも違って聞こえる。
ドラムなどのバックの音が
クレモンティーヌの歌声をかき消してしまうくらいに大きく、
少しバランスが悪い。
LONG VERSION も同じである。
バックの音が大きく、バランスが悪い。
彼女のヴォーカルの質を考えると、
彼女の穏やかな歌声には リズム中心のリミックスは
馴染まないのかなともつい考えてしまう。
「イッツ・ア・シェイム」のリミックス、FLUTE THINGS MIX は、
単調なドラミングの繰り返しに
メロディーにならないような音をシンセが鳴らす
クラブ・ミュージックのアレンジに、
間奏のフルートがうまく合っている。

1月7日

『ロン・コリエ』(クレモンティーヌ)

とても穏やかな「マイ・シェリー・アモール」が聴ける。
スピーカーから私の耳まで、
空間を漂うように音が伝わってくる。
肩肘を張らない感じが、聴いていてとても落ち着く。
この曲の穏やかさを引きずってこの
アルバムを聴いていたいのだが、
その他の曲はバックの打ち込みがリズムを取っていて、
こういった落ち着いた楽曲になっていないのが残念。
もちろん、8曲目の「グラマー・ガール」など、
思わず肩でリズムを取ってしまうような
打ち込みを効果的に使った
アップ・テンポが心地よい佳曲もある。
ただやっぱり、私の中では、
このアルバムのベストは「マイ・シェリー・アモール」だ。

1月5日

『シェエラザード夜話』(ルネッサンス)

1曲目の「トリップ・トゥ・ザ・フェア」を聴いて、
その幻想的な音にビックリして、
思わず買ってしまった作品。
もう、イントロで引き込まれた。
ピアノは次々と音を奏で、
"アー"と伸びる声は、その純度を保ち続けている。
ライナーに「これだけ純度の高い美しさと
緊張感が完璧に調和された音楽を
やれるグループが一体いくつあるだろうか」と
書いてあるが、同感である。
イントロに続くヴォーカルは、 エンヤがお伽話を語るような感じ。
落ち着き払った神聖さがそこにある。
そのバックで、金属的な音を シンセサイザーが次々と奏でていく。
シンセサイザーが奏でる、
クラシック音楽のような整然としたメロディーは、
音色は若干違うが、ハープシコードを思い起こさせる。
そんなきちんと完成されたメロディーに、
ラテン・ミュージックのような変調子が混ざり、
クラシック音楽には無い、
ジャズやロックが持つある種の緊張感が生まれている。
2曲目の「はげたかは飛ぶ」は、ロック色が強い。
1曲目がクラシック音楽の要素を意識したプログレなら、
2曲目はアート・ロックである。
私は、このアルバムの中では、この2曲が好きだ。
タイトル曲にも触れると、
4曲目の「シェエラザード夜話」は、
クラシック音楽の要素を強く感じる、プログレ調の曲。
うっそうとした森の中の古城のような、
中世社会がもつ暗さが曲全体の中に漂っている。

1月4日

『新世紀への運河』(ゲルニカ)

新世紀にちなんでこのセレクション。
6月28日に取り上げた『改造への躍動』に続く
ゲルニカの2nd アルバム。
ゲルニカのアルバムはコンセプトアルバムであり、
前作でも、戸川純のヴォーカルは芝居がかっているのだが、
このアルバムでは、劇中曲が3曲収録されており、
女優 戸川純としての側面が前作より強く感じられる。
芝居がかった歌い方こそ、
戸川純が常に見せてきた歌い方であり、
彼女のソロアルバムや、彼女が在籍したヤプーズの作品でも、
彼女特有の歌い方を楽しめる。
ホーン・セクションや、オーケストラの使用が前作より目立ち、
相対的に、エレ・ポップ的な要素は前作より薄まっている。
このアルバムを一言で表すと、
「ダークな雰囲気の中に一つ輝く異彩」

1月3日

小説「都立桃耳高校 ―放課後ハードロック! 篇―」(群ようこ)

6月6日に取り上げた、神様おねがい! 篇の続編。
大人になってから思えば、ちっぽけな悩みでも、
(こういった悩みは恋愛関係の悩みがほとんどなのだが、)
高校生の時って、すごく悩む。
そういった高校生の頃に持っていたような気持ちを思い出してしまった。
桃色遊戯(緑色の上履き篇)での
「イボガエル」に対する主人公たちの嫌悪感とか、
本人たちはすごく必死なんだけど、
今だったら、もっと他にすることがあるはず(笑)
こういった他にもっとすることがあるのに、
目先のことしか頭に入らない高校生気質みたいなもので
この小説の世界は出来ている。
蛇足ではあるが、音楽好きの私としては、作品中に
グランド・ファンク・レイルロードと、レッド・ツェッペリンは出てくるのに、
ディープ・パープルが殆ど出てこないのが気になり、調べてみた。
グランド・ファンクが7月に、ZEPが9月に来日する年は、実在する(1971年)。
フィクションである小説とは言え、
リアルさを出すためには、時代考証は必要であろう。
こう言うのをしっかりさせないと、つっこむ人とかいるだろうし。
(だいたい、そういうのを気にするのって、男性である (笑))
72年8月には、ディープ・パープルが来日しており、
ディープ・パープルにあまり触れていないのが、やっぱり気になった。
7月のエマーソン・レイク&パーマーの来日には触れているのに。
しかし、普通の高校生がこの小説を読んだとき、
エマーソン・レイク&パーマーが、次に出てくるとき、「EL&P」と略されて、
これが、前述のエマーソン・レイク&パーマーの事だと、すぐに気付くだろうか?(笑)



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