8月31日

小説「鱗姫」(嶽本野ばら)

ラストは陳腐なハッピーエンドな感じだけど、
楼子の鱗病が周りに知られていくスリリングな感じとか、
何故畠山が楼子を追い掛けるのかが
パズルのように明らかになっていくところとか、
鱗病は最初鼠蹊部に発症するとか、
性交渉によって感染するとか、
鮮血を鱗に塗り込むと症状の進行を食い止められる
といった鱗病の怪奇性とか、
同じく鱗病に罹っている黎子叔母様は
鮮血を求めて殺人を繰り返しているのではないかと
楼子が思い始めるドキドキした感じとか、
作品を読んでいて楽しかった。
この人独特の美意識に基づいた
彼の文体が気に障る人も少なくないとは思うけど。

8月4日

映画「アメリ」

アメリの服の赤だったり、
光の使い方、色の使い方とかがきれいだった。
さすがフランス映画。
最近、前衛的なものばっかり見てて、
誰も傷付かないハッピーエンドもいいなぁって思った。
ちょっとネタバレさせると、
アメリは相思相愛になり、愛に満ちたラストになってる。
たくさんのおしゃれさんに支持された映画だけど、
ただおしゃれなだけでも、甘〜いラヴストーリーでもなくて、
ユーモアに満ちてるところがとてもいい。
40年前の少年の宝箱を本人に返すところとか、
そのやり方がユーモラス。
隣人などへの仕返しもかわいい。
けっこう内容はひどいんだけど(笑)。



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