小説「鱗姫」(嶽本野ばら)
ラストは陳腐なハッピーエンドな感じだけど、
楼子の鱗病が周りに知られていくスリリングな感じとか、
何故畠山が楼子を追い掛けるのかが
パズルのように明らかになっていくところとか、
鱗病は最初鼠蹊部に発症するとか、
性交渉によって感染するとか、
鮮血を鱗に塗り込むと症状の進行を食い止められる
といった鱗病の怪奇性とか、
同じく鱗病に罹っている黎子叔母様は
鮮血を求めて殺人を繰り返しているのではないかと
楼子が思い始めるドキドキした感じとか、
作品を読んでいて楽しかった。
この人独特の美意識に基づいた
彼の文体が気に障る人も少なくないとは思うけど。
映画「アメリ」
アメリの服の赤だったり、
光の使い方、色の使い方とかがきれいだった。
さすがフランス映画。
最近、前衛的なものばっかり見てて、
誰も傷付かないハッピーエンドもいいなぁって思った。
ちょっとネタバレさせると、
アメリは相思相愛になり、愛に満ちたラストになってる。
たくさんのおしゃれさんに支持された映画だけど、
ただおしゃれなだけでも、甘〜いラヴストーリーでもなくて、
ユーモアに満ちてるところがとてもいい。
40年前の少年の宝箱を本人に返すところとか、
そのやり方がユーモラス。
隣人などへの仕返しもかわいい。
けっこう内容はひどいんだけど(笑)。