4月29日

映画「ぼくの小さな恋人たち」

高校進学を控えた思春期の男の子が主人公。
経済的理由で進学を断念せざるを得なくなったり、
道行く女の子に魅かれたり、
日常の中で揺れ動く少年の心の機微が描かれている。
この映画を観ながら、「自分の思春期って
どんな感じだったかなぁ」って考えてた。
自分の性への目覚めって覚えていない。
好きな人に対して「一緒にいたい」という感情だけでなく、
「キスしたい」、「抱きたい」といった
性的欲求を持つようになった時期があったはずなんだよなぁ。
こうした性への目覚めを観ていて、
だいぶ昔のことのように感じたり、
観ていてなんだか老け込んでしまった。

4月21日

映画「奇跡の丘」

受胎告知から復活まで、
キリストの一生を描いたパゾリーニの作品。
キリスト教の知識がほとんどないので、
映画の全体的な感想だけを。
自分の信じるものを貫くためだったり、
イエスに従っていくためだったり、
登場人物の真剣さ、鋭い視線に
引きこまれっぱなしだった。
描かれている出来事がかなり残酷なので、
スクリーンの中で起こっている出来事以外で
何か引き込むものがないと、見ているこっちもつらいけど。
あと、映画を構成しているたくさんの静かな間。
これによって残酷なシーンが、観客が目を背けることなく
なんとかつながっていると思う。
ホラーのように流血を演出の一つとしていれば、
非現実なものとして割り切れるんだけど、
この映画の場合、両手を十字架に打ち付けるシーンとか、
リアルさを描くがゆえの残酷さなので、見ていて辛くなる。
辛い現実にぶち当たると拒否したくなる。
そういった、目を背けたくなる残酷さに満ちているのだ。
この映画を見た後は、部屋で一人で
静かに哲学的に思索にふけりたくなるかもしれない。

4月16日

『c'mon, c'mon』(sheryl crow)

シェリル・クロウのニュー・アルバム。
シングルカットされた「Soak Up The Sun」を聴き、
1stの時のようなカントリーっぽさ、フォークっぽさが
戻ってきた印象がしたので買った。
このアルバムにフォークっぽさを求めるなら、
お薦めは、12曲目の「Hole In My Pocket」。
エレキ・ギターがかっこいいので、
アコースティックではないが、
シェリルの歌い方もがなってたりくどかったりせず、
突き抜けるような骨太な感じ。
13曲目の「Weather Channel」も
ディキシー・チキンのようなサザン・ロックな感じでいい。
各曲のアレンジが多彩で奥行きは広いけど、
アルバムの全体像はアメリカン・ロック。
アメリカン・ロックを様々な方向からアプローチしてる感じ。
シングルカットされた、2曲目の「Soak Up The Sun」は
トミー・フェブラリーのファンあたりにも
受け入れられるのかもしれないが、
打ち込みいっぱいのデジロックを期待しないほうがいいと思う。
8曲目「Lucky Kid」は声のエフェクトのかけ方が
かっこよくて、オルタナって感じ。
90年代のロックのエッセンスは至るところで感じる。
3曲目「You're An Original」のギターのひずんだ感じとか
90'sのブリット・ロックを思い起こさせるし。
私が好きなゆったりした曲をいくつか紹介。
5曲目、表題曲「C'mon C'mon」。
6曲目「It's So Easy」。
9曲目「Diamond Road」。
10曲目「It's Only Love」。
5曲目は「C'mon, c'mon c'mon」とギターに合わせて歌ってる感じは、
弾き語りの等身大な感じでいい。
6曲目はアメリカン・ロックのメロウな部分を前面に出した感じ。
シンディ・ローパーが歌っても似合いそう。
ドン・ヘンリーがゲストで参加してて、
こういう風にちょっとくどい男性ボーカルをかぶせて
情緒的に迫るのは、アメリカン・ロックの悪いとこだと思う(笑)。
9曲目は高音を補足出してるとこがきれいで、
ジュエル好きだと好みとかぶるかも。
10曲目はとてもシェリル・クロウらしいと思った。
イントロでギターが高音を奏でる。
ブルース・ロックっぽく少し寂しさを誘う感じで曲が展開していく。
映画の終盤、主人公が雨の中、車で目的地に向かっていく。
こんな場面に似合いそうな曲。



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