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4月30日

マンガ「ひみつの犬神くん」(桑田乃梨子)

満月に狼男に変身してしまうという設定は、
SFっぽく、ミステリアスな話に仕立てることも出来るが、
このマンガはギャグマンガに仕立てている。
不思議な力を持っているが、
組織に狙われるかもしれないなんていう心配も
ギャグとしてしか描かれていなく、
心理描写が深刻でない。
心理描写自体は、主人公が気の弱い男の子であるため、
至るところで出てくる。
心の葛藤というのがない、ゴーイング・マイ・ウェイな
主人公の友人、歪谷のキャラクターが
乾燥した作風にしている。

4月24日

映画「キャスト・アウェイ」

観ていてイタイ。
火を点けようとして、手を怪我したりなどなど。
中でも、虫歯を自分で抜くシーンはイタイ。イタスギル…。
個人的に好きなシーンは、
奥さんに「You have to go home」というシーン。
奥さんには子供がいたり、身を引くしかない状況だが、
身を引くトム・ハンクスに日本人的な部分を感じた。
Homeって、トム・ハンクスのところではない。
Come homeではなく、Go homeなのだ。

4月20日

映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

予告で見るからにクライマックスというシーンを映されたりして、
食傷気味だったんだけど、
一応、封切館が残っているうちに劇場で見ておいた。
まず感じたのは、現実感。
人を殺せば、逮捕され、
それが計画性に富み、残忍であれば死刑を宣告される。
難しい手術をするには、大金が必要で、
弁護士を雇うにもまた、大金が必要である。
仕事でのミスが続いたり、その仕事に向いていなければ解雇される。
(私が工場主なら、作業中空想に耽る人は雇えない)
現代社会を生き抜くには、それなりの要領の良さも必要で、
我々はその要領の良さを社会に出る前に得る。
シビアな面がなければ現代社会は機能しないだろう。
ハッピー・エンディングのためにつじつまを合わせるような奇跡も、
現実ではほとんど起こらない。
「すれていく」と言うこともできるが、
シビアな社会を生き抜くには、社会の論理を知っていないと生きていけない。

4月14日

『コンティノン・ブリュー』(クレモンティーヌ)

4月はフレッシュマンの季節。
たくさんの人が社会へと旅立つ。
これは、クレモンティーヌのデビュー・アルバム。
(その前に、シングルとミニ・アルバムをリリースしている)
声の線が細いということも出来るが、歌い方がとても上品。
2曲目の「イージー・リビング」は、
ジョージ・シアリングのような上品なピアノと歌声がうまく調和している。
フレンチ・ボッサの歌い手として有名な彼女だが、
このアルバムでもボッサ・ノヴァを歌っている。
ただ、全体的にはヨーロッパ・ジャズの雰囲気が強く出ている。
パリの市街地で撮ったと思われるジャケット写真
(石レンガで出来たアパートの前、石畳の舗道の上で
クレモンティーヌが颯爽と跳ねている)にもそれは表れている。
5曲目の「ナイト・ライツ」のジョニー・グリフィンのサックスは、
夜のジャズクラブが似合うような大人のイメージが漂っている。
ジョニー・グリフィンは10曲参加している。
このグリフィンのサックスが、
このアルバムのイメージをジャズっぽくさせているのかもしれない。

追記: デビュー・アルバム、というのは、
日本でのデビュー・アルバムであって、
彼女にとっての初のフル・アルバムは、『スプレッド・ユア・ウィングス』。

4月10日

評論「平坦な戦場でぼくらが生き延びること」(椹木野衣)

岡崎京子論。
男性の評論って、論者の知識、作品の時代背景等に当てはめたりして、
どうも等身大でない。
とは言っても、共感できるところがあったので、それを引用する。
「漫画は岡崎京子の登場によって「文芸」の次元に達したのではない」
次の文で言うように、
「文芸」そのものが、漫画を必要とするまでに堕落したかどうかはわからないが、
描かれる世界は、漫画と文芸との距離が近づいているかもしれない。
しかし、マンガ、文芸とも、いい作品は、きちんと自分の媒体の特性を踏まえている。
岡崎京子のマンガは文芸的ではないと思う。
岡崎京子のマンガは心理描写がすばらしいが、
あくまで心理描写の媒体は絵だ。
主人公の表情に、主人公の心理がよく表れている。
心理描写は文芸の専売特許ではないだろう。
岡崎京子のマンガには活字が多く出てくるが、
絵の補完的な使用である。
岡崎京子は、マンガの特性をうまく利用しているのである。

4月1日

『ザ・エイプリル・フール』(エイプリル・フール)

4月1日に結成したので、このようなバンド名になったらしい。
APRYL FOOLと、スペルを少し変えている。
アート・ロック、ブルース・ロック、サイケデリック・ロック、プログレッシヴ・ロックと、
ロックが多様化していたこの時代の影響が感じ取れる。
細野晴臣、松本隆が在籍しているが、
はっぴいえんどのようなフォークソングっぽさはほとんどない。
救い様のない陰鬱な雰囲気に包まれた作品が多い。
松本隆が英詞を1つ、日本語詞を3つ書いているが、
この頃から既に独特の世界が築き上げられている。
怪奇小説っぽい詞である。
はっぴいえんどよりも、ギターの音などが骨太で、サウンドが力強い。
小坂忠の力強いヴォーカルも、とてもよく曲に調和している。



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